山本紀夫
スタッフの紹介
- 略歴
- 詳細
略歴
学歴
- 京都大学農学部農林生物学科卒(1970)
- 京都大学大学院農学研究科修士課程修了(1972)
- 京都大学農学研究科博士課程単位取得退学(1976)
職歴
- 国立民族学博物館第3研究部助手(1976)
- 国立民族学博物館第4研究部助教授(1983)
- 国際ポテトセンター客員研究員(1984-1987)
- 国立民族学博物館弟4研究部教授(1992)
- 国立民族学博物館民族学研究開発センター教授(2000)
- 国立民族学博物館民族文化研究部教授(2002)
- 国立民族学博物館名誉教授(2007)
学位
- 農学博士(京都大学大学院農学研究科 1978)
[学位論文]1978 The Origin and Domestication of Capsicum Peppers(京都大学大学院農学研究科)
専門分野
民族学・民族植物学、アンデス地域における農耕文化、熱帯高地(アンデス・ヒマラヤ・チベット)における環境利用の研究
研究のキーワード
アンデス、ヒマラヤ、民族植物学
現在の研究課題
- アンデス文明の成立および発達に関する生態学的考察
アンデス文明の成立、発達の中核になった地域は熱帯に位置する山岳地帯である。したがって、熱帯の山岳地帯という生態学的条件はアンデス文明の成立や発達と密接な関係があると考えられる。しかし、従来のアンデス研究ではこのような生態学的な視点からの考察はほとんどなかった。そこで、本研究は、これまで蓄積してきた植物学、民族学、生態学などの資料を利用しながら生態学的な視点を中心にアンデス文明の成立や発達の背景を明らかにしようとするものである。 - イモ類の加工技術に関する民族植物学的研究
農耕文化のなかでイモ類は穀類とくらべて注目を集めることが少なく、研究もあまりない。しかし、イモ類は古くから穀類とともに世界各地で主食として重要な役割を果たしてきたし、現在もイモ類を主作物にする根栽農耕を生業の基盤にする先住民社会が少なくない。そして、このような根栽農耕を基盤にする社会ではイモ類の加工技術が発達してきた。本研究は、このような加工技術に注目し、世界各地における根栽農耕の特色を明らかにしようとするものである。
所属学会
日本文化人類学会、日本熱帯生態学会、生き物文化誌学会、古代アメリカ学会
主要業績
2004 | 『ジャガイモとインカ帝国 ─ 文明を生んだ植物 ─』東京大学出版会 →東京大学出版会ホームページ 書評・紹介欄へ |
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2000 | 『ヒマラヤの環境誌-山岳地域の自然とシェルパの世界』八坂書房(稲村哲也との共編) |
1995 | 『酒づくりの民族誌』八坂書房(吉田集而との共編) |
1992 | 『インカの末裔たち』日本放送出版協会(NHKブックス No.650) |
1993 | 『アメリカ大陸の自然誌3 新大陸文明の盛衰』岩波書店(赤澤 威・阪口 豊・冨田幸光との共編) |
1978 | The Origin and Domestication of Capsicum Peppers(博士論文)京都大学大学 |
詳細
業績
著書
2006 | 『雲の上で暮らす ─ アンデス・ヒマラヤ高地民族の世界』ナカニシヤ出版 →ナカニシヤ出版 詳細ページへ |
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2005 | 『ラテンアメリカ楽器紀行』山川出版社 |
2004 | 『ジャガイモとインカ帝国 ─ 文明を生んだ植物 ─』東京大学出版会 →東京大学出版会ホームページ 書評・紹介欄へ |
1992 | 『インカの末裔たち』日本放送出版協会(NHKブックス No.650) |
編著書
2006 | 『アンデス高地における環境利用の特質に関する文化人類学的研究-ヒマラヤ・チベットとの比較研究-』(平成14年度~16年度科学研究費補助金基盤研究A研究成果報告書) 国立民族学博物館 |
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2004 | 『山の世界』梅棹忠夫・山本紀夫編 岩波書店 → 岩波書店ホームページ 紹介欄へ |
2000 | 『ヒマラヤの環境誌-山岳地域の自然とシェルパの世界』八坂書房(稲村哲也との共編) |
1995 | 『酒づくりの民族誌』八坂書房(吉田集而との共編) |
1995 | 『ラテンアメリカの音楽と楽器』NHKきんきメディアプラン |
1993 | 『アメリカ大陸の自然誌3 新大陸文明の盛衰』岩波書店(赤澤 威・阪口 豊・冨田幸光との共編) |
1992 | 『木の実の文化誌』(朝日選書No.459)朝日新聞社(松山利夫との共編) |
1992 | 『アメリカ大陸の自然誌1 アメリカ大陸の誕生』岩波書店(赤澤 威・阪口 豊・冨田幸光との共編) |
1992 | 『アメリカ大陸の自然誌2 最初のアメリカ人』岩波書店(赤澤 威・阪口 豊・冨田幸光との共編) |
翻訳
1997 | 『トウガラシの文化誌』晶文社(アマール・ナージ著、林 真理、奥田祐子との共訳) |
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論文等
2006 | 「栽培植物の源流-トウモロコシ・トウガラシ・ジャガイモ」『人間文化Vol.3』pp.3-17 大学共同利用機関法人人間文化研究機構 |
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2005 | 「インカの伝統が生きるインディオの食卓」『ヴェスタ』61:18-23。 |
2005 | 「アンデス研究のさらなる発展をめざして─大貫良夫氏のご批判にお答えする」『古代アメリカ』8:75-91。 |
2005 | 「飢餓の救世主―ジャガイモとトウモロコシ-」『ヴェスタ』57:18-23,(財)味の素食の文化センター。 |
2005 | 「アンデスとヒマラヤにおける自然のゆるやかな管理」(稲村哲也と共著)『季刊民族学』111号,16-26,千里文化財団。 |
2005 | 「食糧増産の功罪-ジャガイモを例として」『科学』(岩波書店)75(1):74-77。 |
2004 | Kawamoto,Y. A. Hongo, Y. Toukura, T.Inamura, N. Yamamoto, Y. Sendai, E. Torii 2004 A Preliminary Study on Blood Protein Variations of Wild and Domestic Camelids in Peru. Rep. Soc. Res. Native Livestock 21:297-304. |
2003 | 「知られざるアンデス高地の雑穀―キヌアとカニワ」藤倉雄司・本江昭夫・山本紀夫『農耕の技術と文化』26:25-52. |
2002 | 「山岳文明を生んだアンデス農業とそのジレンマ」『科学』12号1253-1256、岩波書店 |
2002 | 「いま、山で何がおきているのか」『科学』72巻12号1202-1213、岩波書店 |
2002 | 「歴史教科書の記述は正しいか―アンデスの農耕文化をめぐって(上)」『民博通信』第95号、76-124頁 |
2002 | 「歴史教科書の記述は正しいか―アンデスの農耕文化をめぐって(下)」『民博通信』第96号、110-159頁 |
2000 | 「伝統農業の背後にあるもの-中央アンデス高地の例から」田中耕二編『講座 人間と環境 第3巻 自然と結ぶ 「農」にみる多様性』昭和堂 pp.24-51 |
2000 | 「作物と家畜が変えた歴史-もう一つの世界史」川田順造・大貫良夫編『地域の世界史4 生態の地域史』山川出版社 pp.312-361 |
1999 | 「アンデス高地-自然と人間と文明と」『季刊民族学』87巻 千里文化財団 pp.3-41 |
1998 | 「何が品種の多様性を生むのか-アンデスの場合」高畑尚之編『生命体システムの由来と未来』総合研究大学院大学グループ研究「生命体科学」 pp.122-135 |
1998 | 「ヒマラヤに生きる-各論7 ジュンベシ谷の食卓革命」『季刊民族学』83号 千里文化財団 pp.60-74(土屋、藤倉との共著) |
1998 | 「チチャ酒の系譜-アンデスにおける酒づくりの方法をめぐって」石毛直道編『論集 酒と飲酒の文化』平凡社 pp.133-165 |
1998 | 「ソバからジャガイモへ-ネパール・ヒマラヤにおける新大陸産の作物とその利用」『季刊Vesta』30号 味の素食の文化センター pp.22-28 |
1998 | 「ジャガイモとアンデス文明」『地理』43巻(7)古今書院 pp.50-62 |
1998 | 「アンデス高地住民の環境利用」大貫良夫・木村秀雄編『文化人類学の展開南アメリカのフィールドから』北樹出版 pp.93-118 |
1997 | 「熱帯アンデスにおける伝統農業とその変化-中央アンデスを中心に-」『熱帯農業』第41巻第2号 pp.115-122 |
1997 | 「主食の伴侶トウガラシ」『世界を制覇した植物たち』学会出版センター pp.40-51 |
1997 | 「ヒマラヤに生きる-各論4 多様な自然と変貌する環境」『季刊民族学』80号 千里文化財団 pp.26-41(土屋、本間との共著) |
1997 | 「アンデス高地の主食ジャガイモ」『世界を制覇した植物たち』学会出版センター pp.52-61 |
1996 | 「熱帯高地とは-人間の生活領域としての視点から」『熱帯研究』5巻3/4号 日本熱帯生態学会 pp.135-150(岩田、重田との共著) |
1996 | 「熱帯アンデスの環境利用-ペルー・アンデスを中心に」『熱帯研究』5巻3/4号 日本熱帯生態学会 pp.161-184 |
1995 | 「有毒植物の栽培化」科学朝日編『モンゴロイドの道』(朝日選書No.523)朝日新聞社 pp.99-109 |
1995 | 「栽培化とは何か-トウガラシの場合」福井勝義編『講座 地球に生きる4 自然と人間の共生-遺伝と文化の共進化』雄山閣 pp.61-93 |
1993 | 「毒を制したモンゴロイド-南アメリカ先住民の食の適応戦略」『学術月報』46巻8号 日本学術振興会 pp.764-770 |
1993 | 「中央アンデスの根栽農耕-踏み鋤をめぐって」佐々木高明編『農耕の技術と文化』集英社 pp.161-186 |
1993 | 「植物の栽培化と農耕の誕生」赤澤 威・阪口 豊・冨田幸光・山本紀夫編『アメリカ大陸の自然誌3 新大陸文明の盛衰』岩波書店 pp.1-48 |
1993 | 「自然と人類と文明」赤澤 威・阪口 豊・冨田幸光・山本紀夫編『アメリカ大陸の自然誌3 新大陸文明の盛衰』岩波書店 pp.235-257 |
1993 | 「アンデス農民の暮らし」『文化と環境』日本放送出版協会 pp.111-139 |
1992 | 「プレインカの土器モチーフにみるアンデスの食糧源」『モンゴロイド』No.15 東大総合資料館 pp.10-18 |
口頭発表等
2006 | 「栽培植物の源流──トウモロコシ・トウガラシ・ジャガイモ」人間文化研究機構第3回公開講演会・シンポジウム「人が創った植物たち」有楽町朝日ホール(2006.10.6) |
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2006 | 「ジャガイモの栽培化とその展開」『ドメスティケーションの民族生物学的研究』(2006.3.24) |
1996 | 「熱帯アンデスにおける伝統農業とその変化-中央アンデスを中心に-」熱帯農業学会シンポジウム『熱帯地域における経済発展下の土地利用変貌』京都大学京大会館 |
1995 | 「熱帯高地の環境利用-アンデスを中心に」日本熱帯生態学会公開シンポジウム『熱帯高地における人と暮らしーヒマラヤとアンデス』国立民族学博物館 |
1992 | 「栽培植物と南米のモンゴロイド」文部省科研費重点領域研究公開シンポジウム『先史モンゴロイド集団の拡散と適応戦略』東京大学山上会館 |
展示活動
2007 | 企画展「雲の上で暮らす アンデス・ヒマラヤ・チベット 山本紀夫写真展」 |
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2003 | アメリカ展示場リニューアル 担当 館外活動(大学教育、社会活動等) 京都大学東南アジア研究センター研究協力者 |
受賞歴
2006 | 第8回秩父宮記念山岳賞 |
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2005 | 第13回松下幸之助花の万博記念奨励賞 |
2004 | 第19回大同生命地域研究奨励賞 |
代表者を務めた研究・プロジェクト
- 共同研究「ドメスティケーションの民族生物学的研究」(2004-2006)
- 科研「アンデス高地における環境利用の特質に関する文化人類学的研究 ─ ヒマラヤ・チベットとの比較研究」(2001-2004)
- 共同研究「熱帯高地における環境の利用と保全に関する総合的研究」(1999-2000)
- 科研「ネパールヒマラヤにおける草地・森林利用の動態に関する民族学的研究」(1994-1996)
関連ページ
- 山本紀夫教授 秩父宮記念山岳賞受賞および定年退職記念公開シンポジウム「登山・探検・フィールドワーク ─ 地球の高みにむけて ─」(2007.03.25)
- 「もてなしのかたち(5) ─ 最高のもてなしはテンジクネズミの姿焼き」『異文化を学ぶ』毎日新聞夕刊掲載(2007.01.10)
- 研究公演 「いま、よみがえる南米のバロック音楽」(2006.11.5)
- 「色(1) ─ 愛馬の名はパンティー」『異文化を学ぶ』毎日新聞夕刊掲載(2006.10.4)
- 「資料収集から始まった楽器遍歴の旅」『月刊みんぱく』2006年9月号
- 「奇妙な楽器―マトラカ―」『月刊みんぱく』2006年8月号
- 「「理科ばなれ」の流れのなかで」『月刊みんぱく』2005年7月号