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令和2年度文化資源計画事業一覧

資料関連

▶ 標本資料の撮影等業務:日髙真吾

本事業は、標本資料を研究、展示、情報提供等に有効利用するために、標本資料の撮影、計測、及びそれらに付随する業務をおこなうものである。標本資料の正確かつ詳細な画像情報を記録し、標本資料を有効に活用するための基礎的データの蓄積を目的としており、大学共同利用機関として資料に付随する情報の公開等に供するデータを作成する基盤的な事業である。

▶ 研究資料整理・情報化及び利用管理業務【標本資料関連】:企画課長

本事業は、本館が所蔵する標本資料に関する情報の作成及び資料の整理等を行うとともに、当該資料に関する情報サービス、展示準備・展示運営のための資料管理及び情報の作成 ・ 管理等を行うものである。

▶ 研究資料整理・情報化及び利用管理業務【データベース関連】:日髙真吾

本事業は、本館が所蔵する標本資料に関する情報の作成及び資料の整理等を行うとともに、当該資料に関するデータベース掲載情報の作成、更新作業及び「人類の文化資源に関するフォーラム型情報ミュージアムの構築」に係るデータ整理業務を行うものである。

▶ 標本資料の整理・利用 データベース整理ワーキングに係るDBシステム要件の精査:日髙真吾

現在、公開している標本資料関連データベース「標本資料詳細情報 DB」「標本資料目録情報 DB」「標本資料記事索引 DB」の運用について、2019年に「データベース整理ワーキング」を立ち上げ、今後の戦略の検討を始めた。本事業は、タスクフォースの設置とデータベースの整理及び統合に向けた検討作業を円滑に進めるため、専従で従事するプロジェクト研究員1名を雇用し、データベースの現状確認と基礎情報整理を実施する事業である。

▶ 有形文化資源の保存・管理システム構築:園田直子

本事業は、本館所蔵資料の保存と活用の両立を目的に、その保存・管理システムを緊急度に応じて構築することを目的にしている。2020年度は、①有形文化資源の保存対策立案としては、総合的有害生物管理(IPM)の考えのもと、生物被害の防除・殺虫対策に関わる資料管理活動を企画、統括した。②資料管理のための方法論策定では、博物館環境および博物館資料の調査、解析、総括をおこなうとともに、収蔵庫再編成に関わる活動を立案し、助言した。③資料の科学的調査法の推進では、本館の資料調査および他機関との共同利用を念頭に、物理的・化学的・光学的の各種調査の実施と拡充をはかった。

▶ トーテムポールの新規製作:日髙真吾

開館時に収集され本館前庭に屋外展示しているトーテムポールが、経年により劣化が進み、2017・2018年度の台風により両翼が破損したことから、新たなトーテムポールを制作することとした。制作をカナダ先住民族クワクワカワクゥのアーティストに依頼し、2020年4月に本館に搬入された。その後、6月にトーテムポール設置工事を行い、その様子をYouTubeでライブ配信した。さらに、11月にはトーテムポール新規制作のクラウドファンディングで寄附いただいた方を招いてトーテムポールの解説等の案内ツアーを実施した。

▶ 標本資料「ロシアの椀、匙、イースターエッグ」の寄贈受入:藤本透子

本館の中央・北アジア展示を充実させるため、旧ソ連の特別商店ベリョースカ(Beryozka)で1973年に購入されたホフロマ塗りの椀と匙、イースターエッグ型の民芸品の寄贈を受け入れた。ベリョースカはソ連邦対外経済関係省の管轄下にあった全ソ貿易公団が経営するチェーン店で、外国人向けに国産の民芸品、書籍、酒、食料品、衣料、電化製品など多様な商品が販売され、外貨をもつ一部の旧ソ連市民も利用した。寄贈資料は、こうしたソ連時代の制度及び生活の一端を示すものである。

▶ 標本資料「ネパール高地の酒器およびマニ車」寄贈受入:南真木人

本事業は、1959年から70年代にかけてネパール高地で収集された轆轤引きの木製酒器6点とマニ車、油容器、盃、水煙草(4パーツ)の計10点を民博に寄贈受け入れし、南アジア資料の充実を図る目的で実施された。酒器はランタン谷、ダウラギリ山系ミャグディ・コーラ流域などヒマラヤ山麓の村で使われていたもので、保存状態が極めてよく酒器の表面装飾のヴァリエーションも確認できるなど、貴重な資料を所蔵することができた。

▶ 標本資料「新作タマサイ(アイヌの首飾り)」の寄贈受入:齋藤玲子

神戸市在住のガラス(とんぼ玉)作家が古式に模して製作したタマサイ(アイヌの女性が宝物としてきたガラス玉を中心とした首飾り)の寄贈を受け入れた。製作には技術と時間を要する貴重なもので、本館には同様の収蔵品はなく、今後の博物館活動に利用できる資料であるため、受け入れることとした。

▶ 標本資料「中国関連のバッジ、キーホルダー、護符等資料」の寄贈受入:韓敏

中国に関連する標本資料、13件を受け入れた。中国社会の特色ある風習、観光土産、お守り、毛沢東や孫文など近代社会の指導者に関する資料等を受け入れることにより、中国地域の標本資料の充実を図るものである。

▶ 標本資料「ベトナムのバッジ(胡志明)」の寄贈受入:韓敏

ベトナムに関する標本資料の寄贈を受け入れた。今回、寄贈された資料は、ベトナム革命を指導した建国の父である胡志明(ホー・チ・ミン)のバッジである。2004年8月~9月にベトナムのハノイで調査した時に購入したものである。バッジの表には、ベトナム、胡志明の肖像、彼の名前、生まれた年と、死亡した年(1890-1969)などが刻まれている。ベトナム地域の標本資料充実を図るものである。

▶ 標本資料「中国雲南省ナシ族女性の前掛け」の寄贈受入:韓敏

中国雲南省西北部の少数民族であるナシ族の女性が着用するプリーツのついた前掛けを本館で収蔵した。研究ならびに展示、教育普及活動に活用する。この前掛けはナシ族の中で主流派といえる麗江地区のナシ族女性の民族衣装の中でも重要な位置を占めるもので、現地で他のナシ族女性のために前掛けを製作し、その技術に定評を得ている麗江地区のナシ族女性が、昔ながらの製法で2018年に製作したものである。資料的価値が極めて高い。

▶ 標本資料「パプアニューギニアの竹笛」の寄贈受入:福岡正太

京都市立芸術大学教授・山田陽一氏が、パプアニューギニアにおいて儀礼における音楽的表現の調査中に収集した竹笛等の寄贈を受け入れた。

▶ 標本資料「パプアニューギニアの斧及びカレンダー資料」の寄贈受入:丹羽典生

多賀俊介氏が1978年11月28日から12月5日にかけて、現地を旅行で訪れた際に購入した斧及びカレンダーの寄贈を受け入れた。別途寄贈された音響映像資料とともに独立期のパプアニューギニアに関する資料を充実させた。

▶ 標本資料「フィリピン、チボリの民族衣装資料」の寄贈受入:信田敏宏

本事業は、東南アジア関連資料、とりわけ民族衣装資料をさらに充実させるため、フィリピンの山岳少数民族チボリの民族衣装を受け入れ、東南アジアの民族衣装に関する研究活動や博物館活動等において活用するものである。

▶ 標本資料「民俗芸能衣装資料」の勘定科目替え:日髙真吾

本事業は、申請者である日髙真吾が、2021年3月に開催される特別展「復興を支える地域の文化―3.11から10年」の準備の一環および研究資料として購入した物品(南部藩壽松院年行司支配太神楽衣装一式(岩手県)、城山虎舞衣装一式(岩手県)、友禅振袖(新潟県))を、標本資料へ勘定科目替えすることを目的とするものである。

展示

なし

博物館社会連携

▶ ボランティア活動支援:齋藤玲子

国立民族学博物館におけるボランティア活動者の受入要項に基づき、登録したボランティア団体であるみんぱくミュージアムパートナーズ(MMP)の活動支援をおこなった。

▶ ワークショップの実施ならびにワークシートの運用:齋藤玲子

特別展関連ワークショップを4回実施した。講師による講義、展示観覧および講師による展示解説、制作等の体験をとおして、参加者が特別展のテーマに関する理解を深める内容とした。ワークシートについては、ホームページに掲載し使用希望者が自由にダウンロードしていただけるように運用し、また展示場の状況にあわせて適宜内容を変更した。社会連携事業検討ワーキングにおいて作成した新規ワークシートは、学校団体にむけて試行調査を行い、改良案を検討した。

▶ 音楽の祭日2020 in みんぱく:出口正之

社会連携活動の一環として、出演者が講堂およびエントランスホールにて演奏する音楽イベントを開催する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、今年度の実施は中止した。

▶ カムイノミ及び「アイヌ古式舞踊」演舞の実施:齋藤玲子

当館が所蔵するアイヌの標本資料に対して、安全な保管と後世への確実な伝承を目的に、祈りの儀式(カムイノミ)をおこなう予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、今年度の実施は中止した。

▶ みんぱっくの改訂版制作(モンゴル―草原のかおりをたのしむ):齋藤玲子

学校機関や各種社会教育施設を対象に貸出を行う学習キット「みんぱっく」は、パック制作後10年を耐用年数とし、また、時代に即した内容にするためにも改訂を行う必要がある。2020年度は「モンゴル―草原のかおりをたのしむ(2011年度製作)」の内容物確認と改訂後の内容物の検討を行った。