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GAGA:ハヨンの家族

日時:
2024年05月25日 @ 13:30 – 16:10 Asia/Tokyo タイムゾーン
2024-05-25T13:30:00+09:00
2024-05-25T16:10:00+09:00
場所:
国立民族学博物館 みんぱくインテリジェントホール(講堂)
GAGA:ハヨンの家族

開催日 2024年5月25日(土)
時 間 13:30~16:10(開場13:00)
場 所 国立民族学博物館 みんぱくインテリジェントホール(講堂)
定 員 350名
参加費 要展示観覧券(イベント参加費は不要)
申 込 事前申込制(先着順)
※ 予約状況はイベント予約サイトでご確認ください。
※ オンライン(ライブ配信)はありません。
主 催 国立民族学博物館

みんぱくワールドシネマ 映像から考える<人類の未来>第57回上映会

【司会】 菅瀬晶子(国立民族学博物館准教授)
【解説】 野林厚志(国立民族学博物館教授)

上映作品

「GAGA:ハヨンの家族」

台湾の先住民族のひとつタイヤル族のハヨン家の人びとが、慣習(ガガ)を守りつつ、長老の死や村長選挙をめぐって一度は壊れた一族の絆を結びなおしてゆく姿を描きます。

2022年/台湾/タイヤル語・台湾語・中国語/112分/日本語字幕付き

【監督】 ラハ・メボウ
【出演】 ウィラン・ノミン カガウ・ピリン

GAGA:ハヨンの家族 シーン1

©️SKY FILMS Entertainment Co., Ltd

映画解説

台湾北東部の宜蘭の高地に三世代で暮らす、原住民族タイヤル族一家の悲喜こもごもをとおして、歴史的なうねりの中で彼らの祖先が精神的基盤として受け継いできた“GAGA”が、今なお息づくさまを映し出す群像劇。自然豊かな山間の集落で、民族の礎を尊重し孫ら若者にも伝授してきた家長のハヨンは、近隣住民からも慕われ、天寿を全うする。二人の息子家族も同居する大所帯は支柱を失い、行政の土地区分に憤る長男は町長選への出馬を決意するも、留学先のニュージーランドから帰国した彼の娘の妊娠まで発覚し、貞節を重んじる一家は、急を要する婚礼準備に選挙活動が重なり、大混乱に陥る。自身も宜蘭出身でタイヤル族のラハ・メボウ監督は、大金が絡み地域社会や家庭まで分断する選挙の暗部や、文化や伝統が手軽な観光の対象と化す現状を、シニカルな視点で描写。その一方、予期せぬ逆境に直面しても、敬愛するハヨン直伝の哲学を個々で咀嚼し団結できる一家のたくましさを頼もしく見つめ、社会の変容にも柔軟にGAGAを次代へと引き継ぎ得る、同胞の未来を展望する。栄誉ある金馬奨では原住民女性初となる監督賞に輝き、プロの役者ではないキャストの自然な演技も賞賛された逸品。(映画評論家 服部香穂里)

原住民族が見せたい彼らの世界と日々

台湾には総人口の約2%にあたる55万人の先住民族が住んでいる。外来権力のもと、政治的、経済的に劣位にありつづけた人々は1980年代後半から、主流社会に対して権利の回復、保障、文化の尊重を主張してきた。それらの営みは、もともと住んでいた民族という意味の「原住民族」を正式な名称とする憲法改正に結実し、権利の保障や文化の振興を定めた数多くの法律や政令、原住民族行政を専門とする省庁が設立された。2016年には、台湾の最高権力者である総統が400年にわたる苦難の歴史を謝罪するなど、原住民族のおかれた社会状況は新たな局面を迎えているようにも見える。
社会進出が進み、政治や芸能、学術の世界にも多くの人材を送り出し、台湾社会における原住民族の認識にも変化が見られる、とするのはやはり非原住民族側の理解にすぎないのかもしれない。本作冒頭のシーンからは、原住民族から非原住民族に対する強いメッセージ「自分たち、自分たちの世界をもっと知ってほしい」が伝わってくる。
本作は、原住民族が非原住民族に見せたくて、問いかけたくて制作したのかもれない。原住民族の世界や日常を非原住民族はどうとらえ、どう考えるのか。そのことが原住民族にとってどのような意味をもつのかを考えてみたい。(野林厚志)

映像から世界の“今”を考える 国立民族学博物館 菅瀬晶子

今日、予測もできなかったほどの災害や戦争が頻発し、わたしたちの生活を脅かしています。ニュースを追ううちに過去の災厄は忘れ去られ、その原因も苦しむ人びとのことも、忘れ去られてゆきます。しかしながら、災害も戦争も、過去何年にもわたる原因が蓄積された末に起こるものです。そのときどきを生きる人びとが、過去に起きたことをもとに“今”を見据え、より良い未来を築くよう努力すれば、防げるものはあるかもしれません。
みんぱくワールドシネマでは、既存の映画作品から“今”このときを考える一助となる映画を上映し、その内容にふさわしい研究者の解説を加えることで、さらに深く掘り下げて映画を観て考えることを目的としています。映画をとおして別の世界を知り、知を磨き、“今”にフォーカスしてみましょう。そこから未来は生まれます。

申込について

事前申込制(先着順)での開催となります。
代表者を含め2名まで申込可能です。

受付期間:2024年4月22日(月)10:00~2024年5月22日(水)16:00
※定員になり次第受付終了
※解説時に手話通訳が必要な方は、5月2日(木)までに申込いただき、その旨をお知らせください。

  • 予約状況はイベント予約サイトでご確認ください。
  • 事前申込の方へ、当日11:00から本館2階会場前にて展示観覧券を確認後、入場整理券を配布します。
  • 受付期間内に定員に満たない場合のみ当日参加を受付けます。

申込方法

イベント予約サイトからのお申込み

イベント予約サイト 2024年4月22日(月)10:00~

電話での申込

2024年4月22日(月)10:00~
次の必要事項をお知らせください。

① イベント名「5月25日みんぱく映画会」
② 参加人数(代表者含め2名まで)
③ 氏名(漢字、フリガナ)
④ 連絡先(固定電話/携帯電話/メールアドレス いずれか)
※③、④は代表者のみ
 
【申込先】
企画課博物館事業係イベント予約受付
Tel:06-6878-8210(土日祝を除く10:00~16:00)

お問い合わせ

国立民族学博物館 企画課 博物館事業係
TEL:06-6878-8210(土日祝を除く9:00~17:00)