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特別研究 国際シンポジウム「歴史生態学から見た人と生き物の関係」

日時:
2018年03月19日 – 2018年03月21日 終日 Asia/Tokyo タイムゾーン
2018-03-19T00:00:00+09:00
2018-03-22T00:00:00+09:00
開講日 2018年3月19日(月) 9:30 – 17:45
2018年3月20日(火) 9:30 – 17:40
2018年3月21日(水) 9:15 – 12:30
場所 国立民族学博物館 第4セミナー室(本館2F)
対象者 一般公開(参加無料/申込不要/定員60名/同時通訳有)
お問い合わせ 国立民族学博物館館池谷研究室

Tending the water buffalo in village landscape with taro
(painting by Duong, Vietnam)

趣旨

今回のシンポジウムでは、先史時代から現在までの人間・環境関係の「歴史生態学的アプローチ」を軸にして、人類による植物や動物などの生き物利用、絶滅、保護の変遷とそこでの問題を把握することを通して、現代文明と地球や地域の環境との関係を考えることが目的である。たとえば、南米のアマゾンの森林景観が文化的につくられたものであるとみなされる一方で、日本の里山のそれと比較することによって世界の森をめぐる問題に一般化できるのか否かを問うことになる。
本研究は、寒冷地(極北地域)、島嶼・海洋(オセアニア、カリブ海)、砂漠やサバンナ(アフリカ、中央アジア)、森林(アマゾン、中央アフリカ、東南アジア、南アジア、日本)、内水面(中国)などの世界各地の自然環境へのヒューマンインパクトの歴史的変遷を把握することから、地球、大陸、地域レベルでの動物や植物と人間社会との相互関係について考える試みでもある。今回は、環境人類学を中心にして、考古学や歴史学などの環境史などの学際的なアプローチを歓迎するものである。
国立民族学博物館
池谷和信
岸上伸啓

プログラム

3月19日(月)

9:30 – 受付開始
10:00 – 10:05 開会挨拶
吉田憲司(国立民族博物館長)

<趣旨説明:理論的枠組み>

10:05 – 10:40 「人類の歴史、文明と多様な歴史生態学」
池谷和信(国立民族学博物館教授)
10:40 – 11:25 「歴史生態学からのアマゾン川流域と日本の比較」
ウィリアム・バレー(トゥレーン大学、米国)
11:25 – 11:50 討論
11:50 – 12:50 休憩

<テーマ:歴史生態へのアジア的視点>
Part 1 東アジアと日本における現代の人間と動物の関係

12:50 – 13:35 「農作物加害動物に対する追い払い反応に関する調査」
ジョン・ナイト(クィーンズ大学ベルファスト、英国)
13:35 – 14:05 「琉球列島にみるイノシシの狩猟活動と飼育―その家畜化について考える」
黒澤弥悦(東京農業大学「食と農」の博物館)
14:05 – 14:35 「内水面漁場へのヒューマンインパクトと鵜飼い漁師たちの生業戦略」
卯田宗平(国立民族学博物館准教授)
14:35 – 14:45 「コメント」
佐々木史郎(国立アイヌ文化博物館設立準備室)
14:45 – 15:05 討論
15:05 – 15:20 休憩

Part 2 南アジアと東南アジアにおける現代の人間と動物、人間と植物の関係

15:20 – 16:05 「バングラデシュの森林におけるガヤルと人間の関係」
M・O・ファルーク(バングラデシュ農業大学、バングラデシュ)
16:05 – 16:35 「ペルーアマゾンにおける氾濫原農法と焼畑―シピボの事例」
大橋麻里子(一橋大学)
16:35 – 17:05 「ボルネオにおける澱粉源ヤシの利用とその歴史―狩猟採集民プナンの事例」
小泉都(京都大学総合博物館)
17:05 – 17:10 「コメント」
ジョン・ナイト(クィーンズ大学ベルファスト、英国)
17:10 – 17:45 討論

3月20日(火)

<テーマ:歴史生態学の比較の視点>
Part 3 熱帯における文化的森林の歴史

9:30 – 10:15 「出現しなかった新石器時代―古代アマゾンの栽培と農業を隔てる微妙な境界線」
エドアルド・G・ネベス(サンパウロ大学・考古学民族学博物館、ブラジル)
10:15 – 10:45 「モンスーンアジアにおける竹文化―タイ北部山地の農耕民モンの視点」
中井信介(佐賀大学)
10:45 – 11:15 「アジア・太平洋地域のタロイモ(Colocasia esculenta)―食料および飼料としての栽培化モデル」
ピーター・J・マシウス(国立民族学博物館)
11:15 – 11:45 「コンゴ盆地の森林景観に「文化景観」は存在するか―カメルーン東部ジャー川流域における調査から」
大石高典(東京外国語大学)
11:45 – 11:50 「コメント」
ウィリアム・バレー(トゥレーン大学、米国)
11:50 – 12:30 討論
12:30 – 13:30 休憩
13:30 – 14:35 博物館見学

Part 4 新世界における資源開発の歴史

14:35 – 15:20 「アマゾン川流域の歴史生態学―先コロンブス期の景観に対する学際的アプローチ」
ステファン・ロステン(国立科学調査センター、フランス)
15:20 – 15:50 「カリブ海、ミスキート諸島近海の住人とアオウミガメの400年―その人類史的意義について」
高木仁(国立民族学博物館)
15:50 – 16:20 「北アメリカ・アラスカ地域におけるホッキョククジラと人類をめぐる歴史生態学」
岸上伸啓(国立民族学博物館)
16:20 – 16:30 「コメント」
市川光雄(京都大学)
16:30 – 16:40 「コメント」
秋道智彌(国立民族学博物館)
16:40 – 17:40 討論

3月21日(水)

<テーマ:自然、文化、文明>
Part 5 グローバル化した世界における人間と文明

9:15 – 10:00 「リニューアルしたパリのミュゼ・ド・ロムで表現された動物や植物と人間の関係」
セルジュ・バウシェ(国立自然史博物館、フランス)
10:00 – 10:30 「国立民族学博物館の展示に表現された人・動物、人・植物関係」
池谷和信(国立民族学博物館教授)
10:30 – 11:00 「シルクロードの古代オアシス都市における環境利用―中央アジア・ウズベキスタンにおける遺跡立地と周辺環境―」
寺村裕史(国立民族学博物館)
11:00 – 11:10 「コメント」
鈴木英明(長崎大学)
11:10 – 11:20 「コメント」
竹沢尚一郎(国立民族学博物館)
11:20 – 11:50 討論
11:50 – 12:30 総合討論