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宗教性の人類学―近代の果てに、人は何を願うのか ★

館外での出版物

2021年3月31日刊行

長谷千代子・別所裕介・川口幸大・藤本透子(編)

法藏館
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

衆目の一致する「宗教」ではないものの、異なる視点から見れば宗教的に見える活動や思想の領域を「宗教性」の領域ととらえ、その変化の軌跡を追うことによって、本書は現代世界における究極的価値の行方を探求する。

おすすめのポイント、読者へのメッセージ

宗教とは何かについて、決まった答えがあるわけではなく、本当に大切なことはなにか、それを「宗教」と呼ぶかどうかというところから、人々は現在模索中なのだということを、日本やその他の地域の事例を読み比べながら感じていただければと思います。

目次


はじめに (長谷千代子)
序論 いま、宗教をめぐるなにが問題なのか (長谷千代子)

第一部 宗教研究の歴史と現在
 第一章 宗教研究と日本の宗教人類学 (田中雅一)
 第二章 宗教人類学を歴史化する――霊的存在をめぐって (長谷千代子)
 第三章 宗教的なものが滲出すると感じるのはなぜなのか――霊長類学・道徳心理学・進化生物学による宗教論 (矢野秀武)

第二部 革命思想の経験
第四章 儒教と祖先祭祀に見る現代中国の「宗教性」 (川口幸大)
 第五章 「生態文化」をめぐる政治と宗教――現代チベットの環境主義運動から (別所裕介)
 第六章 聖者になる過程――カザフスタンにおける近代化の経験とイスラーム (藤本透子)
 第七章 コミュニティへの希望と宗教団体――スロヴァキアにおける社会貢献活動の展開 (神原ゆうこ)
 第八章 イギリス、グラストンベリーの女神運動――宗教、フェミニズム、ペイガニズムの狭間で (河西瑛里子)

第三部 日本的経験
 第九章 戦後慰霊を再考する:政教分離フィルターろ過後の残留宗教性 (西村 明)
 第一〇章 日本の人権受容における宗教文化的土台 (施 光恒)
 第一一章 ヴァナキュラー・スピリチュアリティ:沖縄における聖地経験と〈地域〉のあいだ (門田岳久)
 第一二章 台湾における宗教的実践と政治――多義的な日本像を介して (藤野陽平)

終章 宗教性の領域で考える (川口幸大、別所裕介、藤本透子)