世界はさわらないとわからない ──「ユニバーサル・ミュージアム」とは何か
館外での出版物
出版物情報
- 出版社:平凡社 出版社ホームページはこちら
- 定価:1,034円(税込)
- ISBN:9784582860085
- 判型:新書
- 頁数:272頁
- 共同研究成果(研究期間:2016年10月~2019年3月)
「障害」概念の再検討――触文化論に基づく「合理的配慮」の提案に向けて - 科研プロジェクト成果(研究期間:2018年度~2021年度)
触察の方法論の体系化と視覚障害者の野外空間のイメージ形成に関する研究(基盤C)
主題・内容
コロナ禍の中で、あえて「さわる」ことの大切さを訴えた特別展「ユニバーサル・ミュージアム」。その前後に、企画者である全盲の人類学者は何を考え、語ったのか。単なる展覧会の報告書ではなく、「ユニバーサル・ミュージアム学」の確立を宣言する意欲作。
おすすめのポイント、読者へのメッセージ
- 「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)とはどんなものなのか、具体例に即して理解できる。
- 日本、そして世界における「ユニバーサル・ミュージアム」の最先端の実践事例を知ることができる。
- 「ユニバーサル・ミュージアム」の研究が、新たな「文明学」であることが実感できる。
- 対談・インタビュー記録なども収録されているので読みやすく、「ユニバーサル=誰もが楽しめる」書籍といえる。
- 日常生活において、「さわる」ことの豊かな可能性を再確認するきっかけが得られる。
- 表紙カバーには点字が印刷されているので、「さわる文化」の普及につながる。
目次
はじめに──「さわれない」時代の「さわらない」人々へ
第一部 書く──手と頭を動かす
1 失明得暗──新たな「ユニバーサル」論の構築に向けて
2 コロナ禍と特別展──二〇二一年を振り返る
3 踊るようにさわる、さわるように躍る
4 二一世紀版「耳なし芳一」
5 障害当事者発のソーシャル・インクルージョンの実現に向けて──誰もが楽しめる「さわる写真」の制作と鑑賞
6 「文化」と「文明」で読み解くインクルーシブ社会の未来
7 文明学としての「ユニバーサル・ミュージアム」
第二部 話す──口と体を動かす
1 暮らしと文化の役割──服部しほり、マクヴェイ山田久仁子、安井順一郎との対話
2 障害/健常 境界はあるか──高橋政代との対話
3 他者理解の先にあるもの──岩崎奈緒子との対話
4 スポーツの楽しみ──竹下義樹との対話
5 古典芸能 ルーツと未来──味方玄との対話
6 見えないものを見るために──松岡正剛との対話
7 〔インタビュー〕 目で見るものがすべてではない
──視覚中心の社会をほぐすため
8 〔講演録〕 健常者とは誰か──「耳なし芳一」を読み解く
おわりに──「誰一人取り残さない社会」は幸せなのか