熱帯の家畜と人―飼育と流通を地理学から探る
館外での出版物

書名 | 熱帯の家畜と人―飼育と流通を地理学から探る |
著者名 | 池谷和信編 |
出版社 | 海青社 |
発行年月日 | 2025年3月25日 |
判型・体裁 | A5版 |
頁数 | 336頁 |
ISBN | 9784860994372 |
定価 | 3,960円(税込) |
研究成果 |
科学研究費助成事業による研究プロジェクト成果:
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主題・内容
本書は、スイギュウ、ゾウ、ラクダ、リャマ、ウズラ、バリケンなどといった日本では動物園でしか会えないような動物たちが「家畜」として飼育されている熱帯に注目して、それらの飼育形態とミルク・食肉・毛織物などの利用の形、流通の方式を明らかにしたものである。
おすすめのポイント、読者へのメッセージ
家畜飼育の研究は、遊牧や先進国での畜産研究が多かった。本書では、自由に畜舎を出てエサを食べたら帰ってくるような飼育の仕方、1000万人が暮らす大都市の一角でブタやヤギを飼う人もいるなど、私たちがイメージするよりはるかに豊かで多様な熱帯の小規模畜産を、「地理学」的手法で紐解くことで、先進国の畜産業が抱える問題を解決するためのヒントを提供している。
目次
第1部 家畜化・品種化のパースペクティブ
・飼育イノシシと人―沖縄の事例から家畜化を考える
・「森の民」が家畜を飼うとき―エチオピア南西部・マジャンギルの家畜飼養
・家畜飼育からみたタイ農村の生業変化
・家畜の毛の加工技法と利用
第2部 文化に根ざした家畜・家禽飼育
・家禽卵文化としての フィリピンのウズラ飼育と卵利用
・タイ北部の農村開発における山地民の対応 ―ウシやバリケン導入の試み
・出稼ぎと手のかからない家畜飼養―ネパール山地村落における舎飼いと日帰り放牧
・農村を移ろうブタ、農村を追われたブタ―ケニア・ 養豚フロンティアにおける経営変化と地域分業システム
第3部 都市の市場と家畜の流通
・大都市のなかの養豚と肉の流通―コンゴ民主共和国のキンシャサの事例
・タイのウシ・スイギュウ定期市―地域をめぐり、国境を越える流通の諸相
・大都市に集まるスイギュウ―パキスタン・カラーチの都市搾乳業