逃げないカワウ ―中国の鵜飼漁をめぐる謎解きフィールドワーク
館外での出版物

| 書名 | 『逃げないカワウ ―中国の鵜飼漁をめぐる謎解きフィールドワーク』 |
| 著者名 | 卯田宗平(著) |
| 出版社 | 京都大学学術出版会 |
| 発行年月日 | 2025年11月6日 |
| 判型・体裁 | 四六並製 |
| 頁数 | 224頁 |
| ISBN | 9784814006144 |
| 定価 | 2,420円(税込) |
| 研究成果 | 科学研究費助成事業による研究プロジェクト成果: 動物保護時代における文化システムとしての鵜飼の全面解明と「最適継承ルート」の共創(2020.4-2025.3) |
主題・内容
このカワウ、なぜ逃げない? 中国各地の鵜飼漁をめぐり、15年かけて鳥と人のふしぎな関係を解き明かした動物記。鳥の生態や行動、調査の苦悩や喜び、カワウが逃げない理由など楽しく読んで学べる。写真や動画も豊富。
おすすめのポイント、読者へのメッセージ
- 船の止まり木にのるカワウたち。繋ぐ紐はない。獲った魚は人間に横取りされる。それでも逃げるカワウは一羽もいない。一体、なぜ? 中国江西省の湖でみた奇妙な光景から謎解きのフィールドワークが始まる。
- 中国各地の鵜飼漁をめぐり、気の良い漁師たちと交流し、鳥と人のふしぎな関係の舞台裏を初めて解き明かした「動物記」。
- 鳥の生態や行動だけでなく、フィールドでの苦悩や喜び、調査の組みたて方、カワウが逃げない理由など、楽しく読んで学べる。
- 筆者の思考はさらに家畜化の起源や日中の鵜飼漁の違いの考察にまで飛翔していく。
- 悠久の水辺を背景にした鵜飼漁の写真、逃げないカワウの動画(QRコード付き)も豊富に掲載。
目次
プロローグ
第1章 長江の流域へ
1、見たこともない漁法に出会う
2、誰がカワウを「発見」したのか
第2章 手さぐりの鵜飼調査
1、地道なフィールドワークの開始
2、カワウの一日に密着
3、カワウがスムーズに回収される理由
第3章 表舞台をみてまわる ―カワウと生きる、カワウが活きる
1、定点調査の落とし穴
2、カワウの入手から死後まで
3、鳥と人がおりなす漁の技
第4章 舞台裏を覗く ―逃げないカワウができるとき
1、カワウと漁師の奇妙な関係
2、目を開けると人間の顔
3、二羽でいると怖さ半減?
4、「一人前」になるために
第5章 逃げないカワウから人間を知る ―手段としての動物記
1、家畜から何を問うのか
2、なぜカワウの生殖に介入するのか
3、なぜ鵜飼漁が生業として成りたつのか
コラム1 君は何を語るのか
コラム2 捕れたての淡水魚を食べる
コラム3 写真がもつ力
エピローグ
図書と展示の案内
参考文献・データ出典
索引
