感性と制度のつながり――芸術をめぐる「喚起」と「評価」のプロセスから考える
研究期間:2019.10-2023.3
緒方しらべ
キーワード
感性、制度、喚起
目的
本共同研究は、制作や展示といった芸術実践において、モノゴトや制度などの非人間を含めた諸存在の働きにおける「喚起」と「評価」のあり方に注目し、感性と制度の不可分なありさまを検討していく。
芸術の人類学では1980年代後半から、美や芸術の普遍性を前提とすることが孕む権力性に基づき、地域の実践とグローバルな制度の関係が問題にされてきた。他方で、1990年代末以降は物質文化研究やエージェンシー論が隆盛し、人やモノゴトの働きの連鎖や相互生成のありさまが提示されてきている。しかし、後者で注目を浴びた「喚起」や「魅惑」と、前者で問題になっていた制度や審美的判断がどのように結びついているのかは、十分に検討されてこなかった。
そこで本共同研究は、世界各地の絵画や生活造形、音楽、古今東西の景観、パフォーマンスなどを含む芸術実践における「喚起」と「評価」の多様なあり方を明らかにしながら、感性と制度的領域が不可分に結びつくさまを検討していく。
研究成果
本共同研究会は、海外への渡航や国内プロジェクトの予定通りの遂行がほぼ不可能であった2年間を挟んだ、2019年12月から2023年3月までのあいだに、合計13回開催された。全員が対面で参加できたのは2019年の初回のみ、全構成員の半数以上が対面で参加できたのは2023年の最終回のみであった。しかし、Zoomを利用したオンライン開催、またはオンラインと対面を併用した開催によって、約3年の間に高い出席率を維持しながら13回の研究会を遂行することができた。コロナ禍の影響を受け、2019年当初の研究計画を大幅に変更せざるを得なくなった構成員も複数名いた。他方で、オンライン上での「密」で活発なコミュニケーションが功を奏し、コロナ禍にも関わらず、構成員全員が、互いにインスピレーションを受け渡しながら、毎回の研究発表や意見交換を通じて研究の方向性を徐々に定めていくことができた。
橋本・長谷川・竹久は、同じキュレーターであっても立場の異なる経験と実践から、美術館における制度の弾力性や柔軟性、感性と制度の狭間でキュレーターが取り組むアートワーカーのための「相談」、アートセンターにおける身体経験もふまえた感性や多様な価値観の共存について議論した。考古学者の寺村・光本は、制度論を前提とした日本の考古学を生成論から捉え直すという新たな理論的試みと、考古学の記録手法におけるルールや約束事といった制度と感性を伴う身体感覚の交差という二つの異なる事例から、感性と制度が不可分であるさまについて考察した。文化人類学では、登と渡辺が、展示で表現されるDVを通した感情あるいは感覚の評価や、フィジーにおけるDV被害の現状とアートとの関わりについて検討した。緒方・兼松・田中は、ナイジェリアの地方都市で最も親しまれるアート、新潟中越の芸術実践および美術教育、キューバの芸術音楽の事例から、感性と制度が複雑に、かつ、必然性をもって絡み合うさまを報告した。
特別講師として招聘した古谷嘉章氏の著書『縄文ルネサンス』の合評会、および、古谷氏からの本共同研究へのコメントを通して、制度の外ないし上にある感性の可能性や、制度化されていない感性の可能性という視点を得ることもできた。
このようにして、本共同研究において、感性と制度それぞれの個別性や柔軟性、両者の不可分性が、現代美術、考古学、文化人類学という三つの異なる領域を横断することで、より鮮明に明らかになった。
2022年度
本年度は、3回(二日間連続開催を含む)の共同研究会を開催する。これまで2年間、ほぼZoom開催で進めてきたが、その利点も生かしながら、しかしできる限り対面による議論の機会をつくろうという希望のもと、進めていく。本年度は最終年度であるため、昨年度までの報告と議論をふまえ、基本的には構成員全員が論考の草稿を発表する。コロナ禍においてとくに調査が難航している人類学班など、調査の進み具合には個人差があるが、少なくとも草稿の発表、または原稿の読み合わせを目標としている。
【館内研究員】 | 寺村裕史 |
---|---|
【館外研究員】 | 兼松芽永、竹久侑、田中理恵子、登久希子、橋本梓、長谷川新、光本順、渡辺文 |
研究会
- 2022年9月4日(日)14:00~18:30(国立民族学博物館 第1演習室 ウェブ開催併用)
-
導入:参加者全員による研究進捗状況の報告
兼松芽永(女子美術大学)「アートと学びの地域性」
寺村裕史(国立民族学博物館)「考古資料(モノ)の情報化の過程における感性と制度」
緒方しらべ(京都精華大学)「感性と制度の不可分性についての一考察:京都市で暮らす人びとの事例から」
全体討論:次回(最終回)とその後の研究成果発表に向けて
- 2023年3月12日(日)14:00~18:00(国立民族学博物館 第2演習室 ウェブ開催併用)
-
緒方しらべ(京都精華大学)「「ギフトアイテム」の価値――ナイジェリアの地方都市の事例から」
渡辺文(同志社大学)「フィジーにおける家庭内暴力撲滅に向けた啓発活動としてのアーツの有効性」
寺村裕史(国立民族学博物館)「考古資料の記録手法とそこに表れた身体感覚」
光本順(岡山大学)「考古学における測量過程を生成論的に捉え直す」
田中理恵子(東京大学)「制度の再生産と差異をめぐる場の力学:ハバナの音響実践から」
登久希子(京都市立芸術大学)「感情あるいは感覚の評価について」
橋本梓(国立国際美術館)「制度の弾力、芸術の胆力」
- 2023年3月13日(月) 10:00~13:00(国立民族学博物館 第2演習室 ウェブ開催併用)
-
竹久侑(水戸芸術館)「「変身ワークショップ」における感性と制度の繋がり」
長谷川新(インディペンデントキュレーター)「感性と制度の繋がり――アートの相談窓口の事例から」
兼松芽永(女子美術大学)「芸術実践および美術教育の地域性と専門性――新潟県中越地方の事例から」
成果物作成に向けた全体討論と打ち合わせ
研究成果
今年度は最終年度であったため、研究成果物の作成を目標とし、構成員全員が研究成果を発表した。それについて全員で議論したうえで、成果物の概要の見通しを立てた。コロナ禍のとくに2年間は海外渡航や国内プロジェクトの遂行が予定通りに行えなかったこともあり、2019年12月の初回共同研究会での研究計画とは大幅に研究内容(事例)が異なったケースも複数あった。他方で、コロナ禍ゆえオンラインまたは対面とのハイブリッド開催となったため、出席率が上がったことから、コロナ禍にも関わらず、毎回の構成員の研究発表や意見交換を通して個々人の、および本共同研究全体の方向性が徐々に、明確に定まった。結果的には、構成員10名全員が、成果物(書籍)の作成に向けて原稿を準備すべく、来年度1年間かけて毎月のオンラインミーティングでの原稿読み合わせに励むこととなった。成果物においては、「感性」と「制度」が不可分であるさまを、専門を異にする10名の構成員がそれぞれの分野や時代、地域や実践の事例から描き、考察する。
2021年度
本年度は、昨年度の繰越実施分をふくめ4回の研究会を行う予定である。第1回目では、田中がキューバのクラシック音楽に関わる人びとの経験と実践を事例に、渡辺がフィジーの美術館とその周辺を事例に個人発表を行う。第2回目から第4回目は、昨年度の個人発表(緒方、光本、寺村、竹久、長谷川、兼松、橋本、登)での議論をふまえ、本研究における感性と制度の捉え方と両者の交差のありかたをより明確にし、各メンバーの研究成果(論文)のドラフトの読み合わせを順次行いながら、議論を進めていく。このうち第2回と第3回については特別講師を招聘し、本研究の理論について重点的にコメントをいただき、全体討論を行う予定である。また、最終回となる第4回は、本研究の結論を明らかにするほか、研究成果の公開方法の一つとして展覧会の具体的な検討も行う。
【館内研究員】 | 寺村裕史 |
---|---|
【館外研究員】 | 兼松芽永、竹久侑、田中理恵子、登久希子、橋本梓、長谷川新、光本順、渡辺文 |
研究会
- 2021年7月3日(土)13:30~18:00(国立民族学博物館 第7セミナー室 ウェブ開催併用)
- 民博収蔵庫見学「モノと制度のつながりの検討、及び、本共同研究の成果としての企画展の検討」
民博展示場(企画展スペース)視察「本共同研究の成果としての企画展の検討」
全体討論「考古学⇔芸術学・人類学間の互いへのアプローチの可能性の検討、本共同研究の成果としての企画展の具体的な検討」
- 2021年7月4日(日)13:30~15:00(ウェブ開催)
- 田中理恵子(東京大学)「感性・制度・共同幻想:キューバ芸術音楽にみる「良きもの」と「流れゆくもの」」
ディスカッション
- 2021年8月1日(日)13:30~17:00(ウェブ開催)
- 渡辺文(同志社大学)「パブリックがつくるアート、アートがつくるパブリック:ハワイ州を事例に」
緒方しらべ(京都精華大学)「感性と制度のはざまで:ナイジェリアの地方都市でアートが評価されるとき」
兼松芽永(女子美術大学)「『縄文ルネサンス』(古谷嘉章著)合評会に向けて」
- 2021年10月3日(日)13:30~16:30(ウェブ開催)
- 緒方しらべ(京都精華大学)・兼松芽永(女子美術大学):本研究の概要と課題
古谷嘉章(九州大学):コメント
ディスカッション
寺村裕史(国立民族学博物館):古谷嘉章著『縄文ルネサンス』へのコメント
古谷嘉章氏からの応答
長谷川新(インディペンデントキュレーター):古谷嘉章著『縄文ルネサンス』へのコメント
古谷嘉章氏からの応答
構成員全員からのコメント・質問/ディスカッション
- 2021年11月21日(日)10:00~18:00(国立民族学博物館 第7セミナー室 ウェブ開催併用)
- 「ユニバーサル・ミュージアム」さわる!『触』の大博覧会」見学
「さわる!」展、および前回の古谷嘉章氏(比較社会文化研究院)による物質性/触感の論考をふまえた、本研究における「感性」についての議論①(参加者全員)
園田直子氏(国立民族学博物館)によるウィークエンドサロン「展示の舞台裏:始まるまでと、始まってから」聴講
「さわる!」展、および前回の古谷嘉章氏による物質性/触感の論考をふまえた、本研究における「感性」についての議論②(参加者全員)
全体討論:本研究の成果発表に向けて(参加者全員)
- 2022年3月20日(日)13:30 ~ 18:00(国立民族学博物館 第7セミナー室 ウェブ開催併用)
- 緒方しらべ(京都精華大学):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント①
長谷川新(インディペンデントキュレーター):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント②
光本順(岡山大学):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント③
兼松芽永(女子美術大学):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント④
田中理恵子(東京大学):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント⑤
寺村裕史(国立民族学博物館):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント⑥
登久希子(国立民族学博物館):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント⑦
橋本梓(国立国際美術館):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント⑧
- 2022年3月21日(月)10:00~12:00(国立民族学博物館 第7セミナー室 ウェブ開催併用)
- 渡辺文(同志社大学):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント⑨
竹久侑(水戸芸術館):調査/論考の進捗と今後の見通し+コメント⑩
全員参加:全体討論と来年度の計画
研究成果
2021年度は個人発表の数は少なかったが、適切な感染症対策に基づき国立国際美術館の展示や国立民族学博物館の展示・収蔵庫をメンバーで見学したことによって、対面でのディスカッションやコミュニケーションを通じて本研究のテーマを(個人発表やそれらへのコメントとは異なるかたちで)相対的に捉えなおす機会に恵まれた。また、ズーム開催ではあったが、古谷嘉章氏を招聘してのディスカッションも、同じく、個々人の発表や具体例を掘り下げるというよりも、共同研究として掲げている大テーマを去年までとは違った角度や視点から再考する機会となった。とくに、古谷氏にいただいたコメント「制度の中や下あるいは外や上にある感性」「制度化されていない感性はありえるのか」「ヘゲモニックな制度や価値や言説を掘り下げるよりも、見る、触るなど実在性を持つ対象に対し、人体を持つ人間がどう体験するのか、地上戦で議論していくことに可能性がある」といったコメントや、古谷氏の著書『縄文ルネサンス』の合評会を通してディスカッションした内容は、本研究のテーマと密接に関わっており、かつ、示唆を与えてくれるものであった。年度末に開催した研究会では、メンバー10名全員の論考の進捗と今後の見通しや課題を共有し、確認し合えたことで、次年度(最終年度)に向けて具体的な計画を立てることができ、モチベーションも上げることができた。
2020年度
2020年度は、第2回から第4回まで、合計3回の共同研究会を開催する。初年度に検討した先行研究、議論したキーワードの概念や使用、問題の所在に基づき、個人発表と全体討論を行っていく。第2回は、緒方がナイジェリアの地方都市におけるアートの事例を発表するのに加え、第1回の全体討論で時間制限のため議論し尽せなかった点についても、継続して議論を行う。第3回は、兼松が新潟のアートプロジェクトを事例に、光本が弥生時代・古墳時代の造形物と身体表現を事例に、登が合衆国とポーランドのソーシャリーエンゲージド・アートを事例に個人発表を、第4回は、寺村が国内の前方後円墳やイランの石板およびそれらのデータ処理・分析を事例に、田中がキューバのクラシック音楽を事例に、個人発表を行う予定である。また、第4回では特別講師を招聘し、本研究の理論について重点的にコメントをいただき、全体討論を行う予定である。
【館内研究員】 | 寺村裕史 |
---|---|
【館外研究員】 | 兼松芽永、竹久侑、田中理恵子、登久希子、橋本梓、長谷川新、光本順、渡辺文 |
研究会
- 2020年8月2日(日)13:30~16:00(ウェブ会議)
- 緒方しらべ(日本学術振興会)「アートを評価する――ナイジェリアの地方都市におけるアートの感覚的なものと制度的なもののつながり」
光本順(岡山大学)「物質のネットワークと古墳づくり」
寺村裕史(国立民族学博物館)「考古学のデータ処理におけるアナログとデジタル――実測図から読み解く制度・身体・感性」
- 2020年10月11日(日)13:30~16:00(ウェブ会議)
- 竹久(水戸芸術館)「制度を見直し、感性の発露をみる:『アートセンターをひらく』における『変身ワークショップ』を通して」
- 長谷川(インディペンデントキュレーター)「石器時代最後の夜ー香川県鷲ノ山の石工と芸術家の邂逅を例に」
- 中間全体総合討論
- 2020年10月18日(日)13:30~15:30(ウェブ会議)
- 兼松(女子美術大学)「中山間地における郷土美術教育と芸術祭」
- 中間全体総合討論
- 2021年1月24日(日)13:30~18:00(ウェブ会議)
- 橋本梓(国立国際美術館)「形なき作品の収蔵は美術館をどう変えるか」
登久希子(国立民族学博物館)「アートにかかわる『経験』の語りについての一考察」
全体討論:今年度の全体のまとめと総論、来年度の研究計画
- 2021年3月21日(日)13:30~18:00(国立民族学博物館 第3セミナー室 ウェブ会議併用)
- 緒方しらべ(関西外国語大学)・兼松芽永(女子美術大学)「今年度の論点の整理と方向性」
登久希子(国立民族学博物館)「The institution of institutionalismの概要と本研究の参照点」
長谷川新(インディペンデントキュレーター)「『感情史とは何か』の概要と本研究の参照点」
全体討論と来年度の研究計画
研究成果
今年度の5回の研究会の成果として、以下2点が挙げられる。1) 「制度」を批判の対象としてだけでも、利用の対象としてだけでもなく、創造的な「別物」として捉える可能性が見えてきたこと。また、これによって、従来の制度論と生成論の二項対立を乗り越える道が見えてきたということ。2) 「制度」が創出されるプロセスに、「感性」が介入/発露していることが明らかになり、「感性」が「制度」の変容可能性の一つの鍵を握っていることがわかってきた。作家、キュレーター、鑑賞者、参加者、市民・地域住民、考古学者、過去を生きた人たちの感性(感覚、身体、感受、感情など)が既存の「制度」と接触したり、利用したり、それに反発したり、それと交わらなかったり、調和したりと、「制度」との何らかの絡みのなかでうごめく「感性」があり、それによって創出されうる/変容する(あるいはしない)「制度」がある、という状況が浮かび上がってきた。
2019年度
初年度に第1回を開催し、代表者による趣旨説明と、人類学における生成論、制度論、芸術の人類学の先行研究の検討を行い、メンバー間で問題の所在を確認し合う。
【館内研究員】 | 寺村裕史 |
---|---|
【館外研究員】 | 兼松芽永、竹久侑、田中理恵子、登久希子、橋本梓、長谷川新、光本順、渡辺文 |
研究会
- 2019年12月15日(日)13:30~18:00(国立民族学博物館 第4演習室)
- 緒方しらべ(大阪大学)「研究会全体の趣旨説明」
- 共同研究員全員「自己紹介と本研究の展望」
- 緒方しらべ(大阪大学)、兼松芽永(女子美術大学)「本研究に関わる人類学の先行研究概要」
- 寺村裕史(国立民族学博物館)「本研究に関わる考古学の先行研究概要」
- 長谷川新(インディペンデントキュレーター)「本研究に関わる芸術学の先行研究概要」
- 共同研究員全員「先行研究を踏まえ、問題の所在や研究方針についての全体討論」
研究成果
初度に開催した研究会(1回)では、まず、人類学、芸術学、考古学の3分野における、本研究テーマに関わる先行研究とキーワードの確認と議論を行った。その結果、主に3点について明確にすることができた。1)「感覚」については、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚という五感だけではなく、それらが複数あわさった多感覚的経験をも視野に入れる。また、個々の感覚と、社会的に共有されたものの差異にも注目する。2)「制度」については、アートワールドというグローバルな制度に加え、法や規範、政治や経済、教育などの諸制度や、各フィールドでの制度化された慣習や暗黙の了解なども含め、広義に捉える。3)「美」については、「美しいか」と「喚起されるか/魅惑されるか」を相互に置き換えて考察することで、美をめぐる制度的領域と感性的領域の結びつきを検証していく。 このように、次年度から個人発表を進めていくにあたっての重要な概念と理論について議論することができた。