セールス・ガールの考現学
開催日 | 2025年2月24日(月・祝) |
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時 間 | 13:30~16:40(受付・開場12:30) |
場 所 | 国立民族学博物館 みんぱくインテリジェントホール(講堂) |
定 員 |
350名 |
参加費 | 要展示観覧券(イベント参加費は不要) |
申 込 | 事前申込制(先着順) ※ 予約状況はイベント予約サイトでご確認ください。 |
主 催 | 国立民族学博物館 |
みんぱくワールドシネマ 映像から考える<人類の未来>第59回上映会
上映作品
「セールス・ガールの考現学 / The Sales Girl」
絵を描くことが好きであるにもかかわらず、親が勧めるままに原子力工学を学ぶウランバートルの女子大生サロール。バイト先のアダルトグッズ・ショップの女性店主と友情をはぐくみ、人として成長してゆく姿を描く。
2021年/モンゴル/モンゴル語・ロシア語/123分/日本語字幕付き
【監督】 センゲドルジ・ジャンチブドルジ
【出演】 バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル エンフトール・オィドブジャムツ
映画解説
モンゴルの首都ウランバートルの一角に、ひっそりと佇むアダルトグッズ店でアルバイトをすることになった女子大生と、裕福なひとり住まいの女性オーナーとの一風変わった交友を描く。勤勉な両親の期待に応えるままに、大学で原子力工学を学ぶサロールは、ケガをしたクラスメイトの代理で、性全般の品物を扱う店で働き始める。著名なダンサーだった店主のカティアに日々の売上金を届けるサロールは、波乱万丈な彼女に未知なる世界へと誘われて刺激を受ける中で、身近な幸福や自身の本質についても再発見していく。広大な自然を背景にしたモンゴル映画とは趣を異にし、国の全人口の半数近くが暮らす都市を舞台に、家族の前では従順に振る舞いつつ、芸術への情熱を捨てきれない大学生の葛藤をとおし、悩める現代の若者像を丹念に描写。何の接点もなさそうで日常に虚しさを覚える女性同士が、衝突や共鳴を経て心身を解き放つさまを、人気ミュージシャンの音楽を効果的に用いた心象風景なども巧みに織り交ぜて映し出し、ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルでグランプリに輝いた注目作。(映画評論家 服部香穂里)
大都会に生きる若者の孤独と成長
社会主義が崩壊して30年。物語の舞台モンゴルは、大草原の牧歌的なイメージとは裏腹に急激な都市化が進んでいる。首都の人口は160万人を超えた。拡大する貧富の差に高い失業率。家族の絆の強い遊牧民の暮らしも今は昔、首都の人間関係は東京さながらに希薄化している。若者の自殺も大きな社会問題だ。
本作の舞台は、そんな大都会ウランバートル、しかも半地下の怪しげな大人のオモチャを扱うアダルトグッズ・ショップである。主人公は、地味で真面目な女子大生だ。本当は画家になりたいが親に逆らえず、大学で退屈な原子力工学を学ぶという鬱屈な日々を送っていた。物語は、そんなサロールが友人の代わりに「セックス・ショップ」で働くはめになることから始まる。その店で彼女は謎の女店主、カティアと出逢う。
自由奔放で人生経験豊富なカティアに時には学び、時には翻弄されながらも、サロールは徐々に生きる気力を取り戻していく。本作は、世代を超えた女同士の友情や主人公のウィタセクスアリスをポップに描き出した佳作である。現代モンゴルの都市社会が抱える世代間格差や、若者の孤独や不安といった問題が垣間見えてくるのも本作の魅力であろう。(島村一平)
映像から世界の“今”を考える 国立民族学博物館 菅瀬晶子
今日、予測もできなかったほどの災害や戦争が頻発し、わたしたちの生活を脅かしています。ニュースを追ううちに過去の災厄は忘れ去られ、その原因も苦しむ人びとのことも、忘れ去られてゆきます。しかしながら、災害も戦争も、過去何年にもわたる原因が蓄積された末に起こるものです。そのときどきを生きる人びとが、過去に起きたことをもとに“今”を見据え、より良い未来を築くよう努力すれば、防げるものはあるかもしれません。
みんぱくワールドシネマでは、既存の映画作品から“今”このときを考える一助となる映画を上映し、その内容にふさわしい研究者の解説を加えることで、さらに深く掘り下げて映画を観て考えることを目的としています。映画をとおして別の世界を知り、知を磨き、“今”にフォーカスしてみましょう。そこから未来は生まれます。
申込について
事前申込制(先着順)での開催となります。
代表者を含め2名まで申込可能です。
受付期間:2025年1月20日(月)10:00~2月19日(水)16:00
※定員になり次第受付終了
※解説時に手話通訳が必要な方は、1月31日(金)までに申込いただき、その旨をお知らせください。
- 予約状況はイベント予約サイトでご確認ください。
- 事前申込の方へ、当日12:30から本館2階会場前にて展示観覧券を確認後、入場していただきます。
- 受付期間内に定員に満たない場合のみ当日参加を受付けます。
申込方法
イベント予約サイトからのお申込み
電話での申込
2025年1月20日(月)10:00~
次の必要事項をお知らせください。
① イベント名「2月24日みんぱく映画会」
② 参加人数(代表者含め2名まで)
③ 氏名(漢字、フリガナ)
④ 連絡先(固定電話/携帯電話/メールアドレス いずれか)
※③、④は代表者のみ
【申込先】
企画課博物館事業係イベント予約受付
Tel:06-6878-8210(土日祝を除く10:00~16:00)
お問い合わせ
国立民族学博物館 企画課 博物館事業係
TEL:06-6878-8210(土日祝を除く9:00~16:00)