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島世界の葬墓制――琉球・海域アジア・オセアニア ★

館外での出版物

書名 島世界の葬墓制―琉球・海域アジア・オセアニア
著者名 小野林太郎
出版社 雄山閣
発行年月日 2024年8月9日
判型・体裁 A5版
頁数 432頁
ISBN 9784639029885
定価 9,900円(税込)
研究 共同研究成果:
島世界における葬送の人類学―東南アジア・東アジア・オセアニアの時空間比較(2019.10-2023.3)

主題・内容

人類が生きていく上で、死者を弔うという行為を避けることはできない。本書は海域アジア・オセアニア・琉球列島の島世界における葬墓制をテーマに、考古学・人類学・民族学や民俗学における最新の成果より論じる野心作。

おすすめのポイント、読者へのメッセージ

島世界は適度に孤立しながら、交流や新たな移住の影響も受けつつ、独自の文化が育まれやすい環境です。そんな島世界における葬送や葬墓制にみられる特徴や共通性を明らかにします。琉球列島や縄文時代など日本の事例も視野にいれ、島世界における葬墓制の特徴について整理しました。

目次

第1部 イントロダクション
第1章 島世界へ移住したサピエンスと葬墓制(小野林太郎)
コラム1 狩猟採集民の葬送について―遊動から定住への変化と持続―(池谷和信)

第2部 東南アジアの島世界における葬墓制―複葬・棺葬・崖葬墓―
第2章 更新世後期~完新世中期における海域東南アジアの葬墓制(小野林太郎)
第3章 フィリピン中部地方と南部地方における金属器時代の甕棺葬(田中和彦)
第4章 ベトナムの初期鉄器時代における甕棺葬(鈴木朋美)
第5章 金属器時代以降のウォーレシアにおける複葬と崖葬墓―考古学的資料と民族誌資料の総合比較―(小野林太郎)
コラム2 トラジャの葬墓文化(山下晋司)
コラム3 現代の風葬とドルメン葬―バリ島トゥルニャン村の風葬とスンバ島の支石墓―(小野林太郎・片桐千亜紀)

第3部 オセアニアの島世界における葬墓制―土葬・水葬・舟棺―
第6章 副葬品からみる先史オセアニアの葬墓制(印東道子)
第7章 ミクロネシアにおける先史時代の葬墓制―マリアナ諸島を中心に―(片岡修)
第8章 海の葬制―水葬と舟葬を考える―(秋道智彌)
第9章 民族誌が語る島々の葬墓制と儀礼(後藤明)
コラム4 ポリネシアの埋葬法(後藤明)
コラム5 メラネシア・フィジーの民族誌からみた葬送慣行とその変遷(丹羽典生)

第4部 琉球の島世界における葬墓制―複葬・棺葬・崖葬墓―
第10章 琉球列島の崖葬墓文化―更新世から現代まで―(片桐千亜紀)
第11章 琉球列島先史時代葬墓制からみた埋葬習俗における性差(新里貴之)
第12章 琉球列島の葬送儀礼と墓(前田一舟)
コラム6 現代沖縄の墓と女性―沖縄本島北部金武町屋嘉区でのフィールドワークから―(吉田佳世)

第5部 東アジアの島世界における葬墓制―土葬・複葬・棺葬―
第13章 縄文時代の葬墓制概観(青野友哉)
第14章 台湾における葬墓制の諸相―俯身葬を中心に―(角南聡一郎)
第15章 船棺葬・崖葬の起源と刳舟との関係(辻尾榮市)
第16章 台湾原住民族の葬制―日本統治期の民俗誌が示す埋葬における方位の考察―(野林厚志)

結部
第17章 島世界における葬制の起源とその発展史(小野林太郎)