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鵜飼の日本史――野生と権力、表象をめぐる1500年 ★

館外での出版物

書名 鵜飼の日本史――野生と権力、表象をめぐる1500年
著者名 卯田宗平(編)
出版社 昭和堂
発行年月日 2025年3月27日
判型・体裁 A5判
頁数 432頁
ISBN 9784812224052
定価 8,250円(税込)
研究成果 共同研究成果:
日本列島の鵜飼文化に関するT字型学際共同アプローチ――野生性と権力をめぐって(2020.10-2023.3)

主題・内容

日本列島において1500年以上も続く鵜飼漁。その全体像を時代や分野を越えて初めて明らかにしました。さらに、なぜ野生のウミウにこだわるのか、なぜ日本独自の漁法が生みだされたのかといった問いにも答えを出しました。

おすすめのポイント、読者へのメッセージ

  • 鳥類学や魚類学、歴史学や民俗学などの学際的な成果から、1500年にもおよぶ鵜飼の歴史、鵜と日本人との多様なかかわりを読み解く。
  • 1500年間の鵜飼年表も作成。
  • なぜ野生のウミウにこだわるのか、なぜ夜間に漁をおこなうのか、なぜ日本独特の漁法が開発されたのかといった問いから鵜飼漁を動機づける日本の食文化にも言及。

目次

まえがき――鵜飼が映しだす日本
序章 鵜飼から何を問うのか 卯田宗平

前篇 鵜飼を成り立たせるもの
第一章 ウミウ・カワウ――その行動と生態からみた鵜飼 亀田佳代子
第二章 捕獲技術――日本の鵜飼漁を支える根本  卯田宗平
第三章 鵜飼用具――モノからみた鵜と人間のかかわり 石野律子
第四章 鵜舟――長良川における鵜舟の構造とその必然性 今石みぎわ
第五章 鵜匠装束――労働着と見せる衣装のはざま 夫馬佳代子
第六章 アユ――その生態からみた鵜飼 井口恵一朗
第七章 鵜飼の美術――平安時代から幕末に至る絵画化の諸相 三戸信惠
コラム① ウミウの人工繁殖――その難しさと楽しさ 沢木万理子

後篇 日本史のなかの鵜飼
【第一部 古代から近世】
第八章 古墳時代の鵜飼――日本における鵜飼の始まり 賀来孝代
第九章 平安時代の鵜飼――異文化としての古代鵜飼 小川宏和
第一〇章 鵜飼の表現――鷹狩図に描かれた鵜飼 水野裕史
第一一章 鵜飼制度の変容と鵜匠――尾張藩による保護と鵜匠の働きかけ 筧真理子
第一二章 俳諧にみる鵜飼――自他合一の自然観 篠原 徹
コラム② 鵜飼を展示する――長良川鵜飼ミュージアムの現場から 河合昌美
 
【第二部 近代から現代】
第一三章 近代漁業制度と鵜飼――長良川鵜飼における皇室の保護とその意義 大塚清史
第一四章 生業としての鵜飼――江の川流域における鵜飼漁 葉杖哲也
第一五章 鵜川と鵜飼――高津川の鵜飼再考 宅野幸徳・篠原 徹・卯田宗平
第一六章 鮎鮨と鵜飼――その製造技術と菌叢の解析から 堀 光代
第一七章 地方公共団体による鵜飼の支援――観光行政にとって鵜飼とは何か 松田敏幸
第一八章 観光資源としての鵜飼――生業の技術をみせる 瀬戸敦子

終章 なぜ野生のウミウにこだわるのか――日本的な動物利用の背景 卯田宗平