図書館主催「少数民族・異文化理解フェア」
Let’s みんぱっく!!-活用例-
沖縄県立球陽中学校・高等学校
図書館主催「少数民族・異文化理解フェア」
今回は学校図書館主催の展示にみんぱっくを活用された例です。
同じテーマのもと、2 種類のぱっくを2 期間に分けて利用されています。
【この記事は学校からいただいたレポートと写真をもとに構成しています。】
パック利用期間 | 2020年11月9日~11月19日、11月17日~11月27日 |
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利用したパック | 「極北を生きる」、「アイヌ文化にであう」 |
学年 | 中学1年生~高校3年生 |
利用科目 | 図書館主催「少数民族・異文化理解フェア」・図書月間の展示 |
授業のながれ
テーマの決定
10 月の「全国読書週間」でできた読書の流れを11 月に繋げるため「球陽読書月間」を設置。
沖縄ではなかなか感じることのできない「極北」「北国」を感じてもらいたいと思い、目玉企画としてみんぱっくを利用しました。
みんぱっく以外の準備
フェアに間に合わせて「イヌイット」「アイヌ」「異文化理解」の関連書籍を追加購入 。
【購入した本の例】
・『イヌイットの壁掛け』岩崎昌子/著(誠文堂新光社)
・『アイヌをもっと知る図鑑(別冊太陽 日本のこころ)』(平凡社)
・『アイヌと神々の物語』萱野茂/著(山と溪谷社)
・『文化人類学の思考法』松村圭一郎,中川理,石井美保 編(世界思想社)
・『先住・少数民族の言語保持と教育』長谷川瑞穂/著(明石書店)
・『なくなりそうな世界の言葉』吉岡乾/著(創元社)
告知
図書館だより(9号・11 号) で生徒に告知。
展示の様子
「図書館だより」「ショーケース展示」「館内展示(本)」の融合を目指しました
図書館だより
告知や概要のほか、展示にまつわるQ&A を掲載しています。
ショーケース展示
図書館は教室棟の真ん中に位置していて、ショーケースも生徒の往来が多い場所にあります。
背景を作成し、居住空間の雰囲気を再現しました。
民族衣装はマネキンに着せて図書館前に展示し、生徒が触れることができるようにしました。
館内展示
「少数民族・異文化理解フェア」コーナーを作成し、蔵書を展示しました。
少数民族理解 → 異文化理解 → 郷土(琉球)理解と、生徒の興味関心が繋がるように配架しています。
衣装を試着する際は司書教諭がつくようにしました。
「アイヌ文化にであう」展の時は、館内でアイヌ音楽のCDを流し、みんぱっく資料(ショーケースには飾りきれなかった分)を展示しました。どの資料もしまい込むことなく活用できました。
反響が大きかった資料
民族衣装
試着会には中学生も高校生も来て大賑わいでした。イヌイット・ カリブーの毛皮の迫力や、 アイヌ・マタンプシの刺繍の細かさに圧倒されていました。面白かったのは、アイヌ民族の衣装について、「琉球の着物と似ている 」という声が上がったこと。「同じ縄文民族だからかな?」などと、興味が沸いたようです。また、似ているとはいっても、実際着てみると「やっぱり違う。すごく暖かい。 北国の衣装だ」 などという感想もあり、写真で見るだけではわかり得ない“本物の持つ力” を実感できたのは良かったと思います。
アイヌ語すごろく
楽しんでいました。すごろく自体、スマホ世代の生徒達には新鮮だったようです。
先生の感想
沖縄県立球陽高等学校/ 仲松綾子先生
新型コロナウィルス感染症対策により、4月は自宅待機、5月後半から分散登校、という令和2年度のスタートでした。新入生に対する図書館オリエンテーションも実施できず、生徒会主催の行事や体育祭などが軒並み中止になる中、何か図書館にできることを・・・と考えて今年の図書館運営を行ってきました(「論理フェア」や「文豪フェア」を他の月には行いました)。その中の一つが、今回活用させていただいた「みんぱっく」です。沖縄という土地柄、博物館や美術館で“本物” に触れる機会の乏しい生徒達に、知的好奇心を刺激しながらも「楽しみ」となることを提供できたことは大変有意義でした。
また下に示すグラフの通り、例年10月の全国読書週間の後、11月に貸出冊数が落ち込む傾向にありました。読書の流れを継続させるために企画した「球陽読書月間『少数民族・異文化理解フェア』」でしたが、その効果は充分にありました。本校ではSDGs探究の取り組みなども行っているので、生徒の興味関心に合った図書館フェアを行うことができたと感じています。ありがとうございました。