Select Language

2022年度みんぱく若手研究者奨励セミナー 「オンライン時代の民族を考える――アーカイブ・現地・インターネット空間へのアプローチ」

日時:
2022年11月16日 @ 10:00 – 2022年11月17日 @ 17:00 Asia/Tokyo タイムゾーン
2022-11-16T10:00:00+09:00
2022-11-17T17:00:00+09:00
場所:
国立民族学博物館 第4セミナー室(本館2階)
会期 2022年11月16日(水)・17日(木)
場所 国立民族学博物館 第4セミナー室(本館2階)

若手研究者奨励セミナー賞の受賞者発表

◆みんぱく若手研究者奨励セミナー賞
池邉智基(京都大学)
【発表タイトル】
「SNS空間におけるウォロフ語と「民族」の再創造」

集合写真

趣旨

民族はその意味や境界、使用法を大きく変化させてきた。民族をとらえるための様々な切り口が議論され、民族やエスニシティの自明性が問い直されている。そして、オンラインの日常化は、対面の共同体として考えがちであった民族を地理的な空間という制限から解放し、そのあり方に大きな転換を迫ることになった。同時に、研究者は研究資料やアーカイブをより積極的に使用できるデジタル環境のなかにある。これらのことはこの数年来、我々が直面してきたCOVID-19の世界的な流行が促進させてきたことはいうまでもない。
文化人類学や民族学がきたえてきた民族の概念、とらえてきた民族の実態が大きく変わり、民族を調査、研究する者が対象とする空間が拡大を続ける今日、我々は民族に対する研究方法をあらためて考える時期を迎えているのではないだろうか。
本セミナーでは、こうした問題意識のもとで、調査や研究の対象とされてきた民族をどのようにとらえることができるのかということをテーマにしたい。対面の共同体として描かれてきた先行研究をどのように読むか、オンラインのコミュニケーションが一般化することで民族はどう変化するのか、現地調査が制限されるなか、オンラインで公開された文書資料やアーカイブ等をどう活用するか、SNS等でモニター越しに参与観察したデータをどこまで信頼してよいか等々、参加者各自の研究の方法論的な特色を共有しつつ、民族に関する革新的な研究方法を本セミナーを通じて考えたい。

プログラム

11月16日(水)

総合司会 金悠進(国立民族学博物館機関研究員)

10:00 – 10:30 開会挨拶 吉田憲司(国立民族学博物館長)
発表者自己紹介
趣旨説明 野林厚志(国立民族学博物館教授)
10:30 – 11:50 カムイノミ見学
12:00 – 13:00 昼食
13:00 – 13:30 企画展「海のくらしアート展――モノからみる東南アジアとオセアニア」見学 小野林太郎(国立民族学博物館准教授)
13:40 – 14:00 教員による問題提起 野林厚志「オンライン時代の民族を考える」

◆セッション1 司会:松本文子(国立民族学博物館機関研究員)

14:10 – 14:55 皆木香渚子(京都大学)
「デジタル時代における持続可能な生業戦略の解明
―ベトナム・メコンデルタのエビ養殖者による情報交換を事例に―」

14:55 – 15:00 換気・消毒
15:00 – 15:45 池山草馬(株式会社ヒトノハ)
「仮想世界のエスノグラフィーはいかにして可能か
――VRChatにおけるアバター実践の事例から――」

15:45 – 16:00 休憩・換気・消毒
16:00 – 16:45 今村宏之(国立民族学博物館)
「アーカイブは自文化理解に変容を迫るか
―オンライン時代の武術愛好者たちに見るインドネシアの国民意識と民族のとらえ方―」

11月17日(木)

◆セッション2 司会:金悠進

10:00 – 10:45 浅田直規(筑波大学)
「「民族=分析概念」という捉え方と調査方法に関する考察」

10:45 – 10:50 換気・消毒
10:50 – 11:35 池邉智基(京都大学)      
「SNS空間におけるウォロフ語と「民族」の再創造」

11:35 – 13:00 特別展「Homō loquēns「しゃべるヒト」~ことばの不思議を科学する~」見学
昼食

◆セッション3 司会:松本文子

13:00 – 13:45 土井冬樹(神戸大学)      
「オンライン空間を構成する文化的規範:
新型コロナウイルス期における日本在住マオリの勉強会を事例に」

13:45 – 13:50 換気・消毒
13:50 – 14:35 二重作和代(京都大学)      
「多民族地域で文化を再創造する
―インドネシア地方社会にみる民族寛容性と同胞意識の形成・共有―」

14:35 – 14:50 休憩
14:50 – 15:50 総合討論「オンライン時代の民族」 司会:寺村裕史(国立民族学博物館准教授)
15:50 – 15:55 換気・消毒
15:55 – 16:20 若手共同利用の諸制度と民博の施設 金悠進
16:20 – 17:15 施設見学(収蔵庫、図書室) 松本文子
17:15 – 17:35 表  彰 岸上伸啓(国立民族学博物館副館長)
閉会挨拶 野林厚志
17:45 – 18:15 意見交換会

過去の若手研究者奨励セミナー