2025年度みんぱく若手研究者奨励セミナー「変容する身体、揺らぐ知:技術革新がもたらす文化の動態」
日時:
2025年12月04日 @ 10:00 – 2025年12月05日 @ 17:00
Asia/Tokyo タイムゾーン
2025-12-04T10:00:00+09:00
2025-12-05T17:00:00+09:00
場所:
国立民族学博物館 第4セミナー室(本館2階)
| 会期 | 2025年12月4日(木)~12月5日(金) |
|---|---|
| 場所 | 国立民族学博物館 第4セミナー室(本館2階) |
| 募集 | 参加無料/募集人数約7名 ※募集は終了いたしました。(応募締切:2025年9月1日[月]) |
- 本セミナーは、一般公開していません。
若手研究者奨励セミナー賞の受賞者発表
みんぱく若手研究者奨励セミナー賞
前田賢哉(京都大学)
【発表タイトル】
「セネガルの仕立て文化における流行生成
―仕立て屋の熟練した視覚とファッション・メディアの共創から」

趣旨
私たちの身体のあり方や知識の構築・流通・蓄積の方法は、技術革新の影響を受けながら常に変化し続けてきました。人類史を振り返ると、活版印刷の発明、音声・映像メディアの登場、インターネット・SNSの普及など、数度にわたるメディア技術の革新は、その都度われわれ人類による情動の表現形式に大きな変化を起こしてきました。とりわけ、近年のAI技術の進展は、身体と知のあり方そのものを新たな局面へと導きつつあります。
本年度の若手研究者奨励セミナーは、「変容する身体、揺らぐ知:技術革新がもたらす文化の動態」という題で、身体の加工や管理、知識の継承や発信といった行為が、技術的環境の変化によりいかに変容するのかについて、フィールドワークに基づく具体的な知見から探ります。たとえば、紙媒体による秘匿的知識の継承、身体技法の伝達と動画メディア、生体認証による身体管理と情報化、生成AIによる民族表象、SNSにおける思想の拡散など、時代を超えて展開される多様な実践が議論の対象となるでしょう。
本セミナーは、技術革新に応じた身体・知識・身体知のさまざまなあり様、人間のパフォーマンスや知識の伝達方式を共通テーマとします。身体と知の変容に関心をもつ多分野の皆さまのご応募を心よりお待ちしています。
企画担当:人類文明誌研究部
プログラム
※各発表は50分(発表30分/質疑応答20分)
12月4日(木)
| 10:00-10:30 | 開会挨拶 関雄二(国立民族学博物館長) 発表者自己紹介 趣旨説明 池邉智基(国立民族学博物館助教) |
|---|---|
| 10:30-11:50 | カムイノミ見学 |
| 11:50-13:00 | 昼食 |
| 13:00-13:20 | 教員による問題提起 1 鈴木昂太(国立民族学博物館准教授) |
| 13:20-13:40 | 教員による問題提起 2 池邉智基 |
| 13:40-16:25 | セッション1 |
|---|---|
| 司会:邱君妮(国立民族学博物館機関研究員) | |
| 13:40-14:30 |
閻美輪(東京大学) 「技術に媒介される移民の身体実践をめぐる人類学的試論 ―ソーシャルメディアを介した東京都の中国出身若者の日常実践から」 コメンテーター:平井京之介(国立民族学博物館教授) |
| 14:30-14:45 | 休憩 |
| 14:45-15:35 | 松倉祐希(京都大学) 「舞踊とテクノロジーの交差点―AI・ロボットと変容する身体」 コメンテーター:福岡正太(国立民族学博物館教授) |
| 15:35-16:25 | 佐伯灯(京都大学) 「自己フィードバックと⾝体の「ズレ」はなぜ生じるのか ―京都大学体育会系少林寺拳法部におけるスマホ撮影を用いた練習をめぐる考察」 コメンテーター:島村一平(国立民族学博物館教授) |
| 16:45-18:00 | 懇親会 |
|---|
12月5日(金)
| 10:00-11:40 | セッション2 |
|---|---|
| 司会:古沢ゆりあ(国立民族学博物館機関研究員) | |
| 10:00-10:50 | 長谷川由依(東京藝術大学) 「東京放送局開局期の「民謡放送」にみる「民謡」の意義と変容 ―町田嘉章の記録と日本放送協会調査資料にみる放送制作の実態と聴取状況から」 コメンテーター:鈴木昂太 |
| 10:50-11:40 | 打田秀太(早稲田大学) 「人・場所・文化はいかにインターネット上に在るのか ―SNS「X」を中心とする「淫夢」を事例に」 コメンテーター:池邉智基 |
| 11:40-13:00 | 特別展「舟と人類―アジア・オセアニアの海の暮らし」見学 昼食 |
|---|
| 13:00-14:40 | セッション3 |
|---|---|
| 司会:邱君妮 | |
| 13:00-13:40 | 中井良平(立命館大学) 「「診断・管理される身体」と「私(たち)の身体」」 コメンテーター:齋藤晃(国立民族学博物館教授) |
| 13:50-14:40 | 前田賢哉(京都大学) 「セネガルの仕立て文化における流行生成 ―仕立て屋の熟練した視覚とファッション・メディアの共創から」 コメンテーター:松本雄一(国立民族学博物館准教授) |
| 14:40-14:50 | 休憩 |
|---|---|
| 14:50-15:50 | 総合討論「変容する身体、揺らぐ知」 司会:鈴木昂太 |
| 15:50-16:10 | 若手共同利用の諸制度と民博の施設紹介 古沢ゆりあ |
| 16:10-16:20 | 休憩 |
| 16:20-17:10 | 施設見学(収蔵庫、図書室) 邱君妮 |
| 17:10-17:30 | 表彰 関雄二 閉会挨拶 島村一平 |
過去の若手研究者奨励セミナー
- 2025年度みんぱく若手研究者奨励セミナー「変容する身体、揺らぐ知:技術革新がもたらす文化の動態」
- 2024年度みんぱく若手研究者奨励セミナー 「もめごとの対処術」
- 2023年度みんぱく若手研究者奨励セミナー 「コミュニケーションの多様性――『つながり』『へだたり』『かかわり』のフィールドから」
- 2022年度みんぱく若手研究者奨励セミナー 「オンライン時代の民族を考える――アーカイブ・現地・インターネット空間へのアプローチ」
- 2021年度みんぱく若手研究者奨励セミナー「モビリティを再考する――人びとの実践、調査者の実践」
- 2020年度みんぱく若手研究者奨励セミナー「危機対応をめぐる文化のデザイン――人類の知と技を問いなおす」
